8月2日(日) 鹿児島県民交流センターで行われた
日本の古典 能・狂言 鹿児島公演に行ってきました。
同センターには、能楽用の専用舞台があるんです。
(その割には公演数は少ないので、税金の無駄的な感じもしないでもないが)
私は、狂言の舞台のみ
友人は、薪能(そのときは、お寺さんの庭だったそうだ)のみの経験だったので
お互いに、能舞台で能を見るのは初めて。
シロクマ 「今度、能があるみたいだけど、行く?」
友人 「へ~、お能はみたことないや。行く~」
シロクマ 「午前と、午後と、どっち行く?」
友人 「演目は何?」
シロクマ 「チラシによると 午前が 仕舞 『芭蕉』 狂言『梟山伏』 能 『巴』 午後が、仕舞『松風』 狂言『蝸牛』 能『黒塚』 だって、出演している人は、・・・・」
友人 「あ~~、巴ってね、巴御前の話よね。木曽義仲の奥さんの、幽霊の話よ修羅物って分野ね。黒塚のほうが好きかな~個人的には、だから午後がいいね」
そんな歴女な彼女なのである。
私もよくわからないけど、狂言「蝸牛」は、古典の教科書に載ってたような気がするし。じゃあ午後の部ということで、ランチを食べてから観劇。
能は、歴史的に「雅楽」「散楽」「猿楽」「田楽」などが、室町時代に 観阿弥・世阿弥親子によって「能」として完成され、その後足利義満に認められ大成。
室町幕府崩壊後は、戦国・安土桃山の様々な武将に愛され保護されていきます。
その後、江戸時代に入ると、幕府の式楽(公認音楽)となり、300年間、洗練と固定の一途をたどったそうです。
明治以後は、公家、旧藩主などが支援。
第二次世界大戦後から、だんだんと勢いがなくなっていった・・・といった経緯をたどっているようです
歴女である私の友人は歌舞伎が好きなのだが、彼女によると
歌舞伎と能は、仲が悪い。そうで
歌舞伎は、元禄の町人文化なので、娯楽性があり、なんでもありのエンターテイメントなのだが
能は、歴史的に常に「王室御用達」みたいな、ひとつひとつが逸脱を許さない固い演劇で、それ自体が儀式のようなので、アレンジして行うことは基本的にはないようだ。と。
それを踏まえて。
最初の30分は、能楽師、狂言師、お囃子さんたちによる解説。普段古典に親しんでいない私たちにはありがたいこと。
仕舞『松風』(5分):仕舞とは、能の最後のあたりの、一番舞が派手?になる場面のところだけを演じるみたいで、「おしまい」の語源になっているみたい。
感想:一番派手に舞っているという割には、かなりのゆっくりさ。能面は被っていないけど、まったくの無表情だし・・・早くも、眠い。
狂言『蝸牛』(約30分):ご主人から、薬にするために藪をさがしてかたつむりを取ってこい。といわれた太郎冠者が藪の中で一眠りしている山伏を見て、主人に聞いた特徴「かたつむりは、頭が黒く、背中に貝を背負っている等」に合致するとして、山伏に「あなたはかたつむりどのではありませんか?」と声をかける。山伏が面白がって、「さよう、いかにもかたつむりじゃが・・・」とからかい続ける。というもの。
これはかなり面白くて、会場大ウケでした。
山伏が、ものすごく悪ノリでしつこくからかう上に、最後は「ゆるせ、ゆるせ」とひとこと言って笑いながら去っていきました。おいおい。
能『黒塚』(約70分):
①山伏一行が山の中で日がくれてしまい、一夜の宿をお願いしようと民家を訪問、そこにはひとりの里女が住んでいて、はじめは断られるが、山伏たちが何度もお願いし、宿泊できることになる。里女は、糸をつむぎながら、人の身のはかなさについて、山伏たちと話す。
②「私の閨(寝所?)を決して除かないでください」といって薪を取りに外へ出る。その後一行のもののひとり(間狂言というらしく、ここだけがその役者さんが滑稽に芝居をする)ががまんできずに、閨をのぞくと、そこには人間の手や足が山のように積まれている。
③「み~た~な~」といった感じで、先ほどの里女(能面着用)が、鬼女(般若面着用)になって登場、山伏の祈祷とのバトルがくりひろげられ、最後は鬼女が、静かに去っていく。
感想:①だけで30分くらいある。ほとんど静止画のように動きのないステージに、歌い手さんの念仏のような歌(おそらく、ストーリーを歌ってくれているのだろうけど)にお囃子さんの 「いよ~おっ カーーン!(鼓の音)」が連呼されている。
たま~に、山伏やら里女のせりふがあるのだが、あまり聞こえない。
なぜなら、お囃子やら「いよ~おっ!」のほうが大きいし、里女は能面を被っているので、声が通らないのである。
その状態が続くので・・・とにかく眠い。
あんまり眠いので周りをみわたすと、4割くらいの人がうとうとしていたので。
お着物の奥様とかも。
すごい入眠パワーを持ってます。
ということで、①の時間は睡魔との闘いだったですけど、後半②は間狂言といってやや滑稽に③は立ち回りとなかなか面白く、鬼女の迫力は、ホール後方の私たちの席にも伝わってきて、近くで衣装の詳細を見たかった。
しかし、「大立ち回り」のシーンのはずでもやはりゆっくりとした小さな動き・・・・
高尚なんですね。
招待されて小学生とかもたくさん来てたけど、よくがんばれるなあ。みんな。
アラフォーにして、精一杯ですよ。ワタシ。
その後歴女とマックでコーヒーを飲みながら
能が意外と?エキサイティングだったこと
他の古典芸能が、若者にブームになっていくなかで
能はあくまで伝統の継承を取るのか、現代向けのアレンジを多少なりとも加えていくのか
昔土7であったアニメ、「まんが日本むかし話」では
ああいう鬼女系の話が結構あって、食われないように知恵を使って脱出して、黒い斜線で描かれた雨が降る山を一つも二つも追われながら逃げて助かる。
小さい頃は怖くてはらはらしたなあ。
でもあれは、老人のイメージを悪くするよね。とか
市原悦子と、あの俳優さん(常田さん?)の二人で声優さんやってたんだよね~すごい。とか
議論は変に脱線して、能の鑑賞は終わったのでした。
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てげてげゆるゆるによろしゅう。
以前のブログでははにわと名乗っておりました。
短期間でかなりの美白&成長に成功した様子。