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一隅を照らす。
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オーディブル3冊目、初めての長編小説です。
 私、特に小学生から中学生頃までは、あさるように小説を読み、映画(ビデオ)を見まくっていました。
 大人になってからあまり小説を読まないし、映画も見ない。小説や映画の心理的描写が精神的にしんどいと思うようになった。

 ま、そんなこんなで、以前オーディオブックで本を聞いていた時も、小説には手を出さず、実用書を主に聞いていたのだけど
 今回、「同志少女よ敵を撃て」っていう、本屋大賞を受賞した戦争小説に手を出したのだ。タイトルもだけど、表紙の少女のイラストもなかなかかわいい。
 聞き終わるまで、通勤時間、家事時間を使って約1週間、さっき、聞き終わりました。いやあ、しんどかった。という感想。
 面白くないという意味ではなく、途中でなんどか辞めたくなりました。
 
 第二次世界大戦時、ナチ党率いるドイツに攻め込まれたソ連、片田舎の村
 猟師の手伝いをしながら。将来は外交官になりたいと思い、モスクワの大学に進学が決まっている主人公の少女セラフィマ、幼馴染のミハエルにほのかな思いを寄せている
 村が突然ドイツ軍に襲われ、村人が皆殺しにされ、猟銃で応戦しようとした母を眼前で射殺され、自身も他の村の女性と同様に、いよいよ性暴力を受ける寸前に、ソ連軍に助けられるが、女性将校イリーナから「戦うか、死ぬか。どちらか選べ。」と言われ、村も、村人の遺体も、母の遺体も焼かれてしまう。
 母を射殺した射撃手と、そののちに女性将校イリーナを殺すことを生きる糧に、射撃の訓練を重ね、実践を重ね、ついに・・・
 といったストーリーです。

 それはもう、80年近く前の戦争の話なんだけど
 くしくも、今、ウクライナとロシアで起こっていることを想起させるし
 なんというか
 まだ、射撃訓練をしているときくらいまでは、物語として楽しめるけど、戦争に身を投じていく「普通」の人間が、人を殺すことや、戦地で女性を凌辱したり、金品を奪取することををいとわなくなっていく過程とか、敵を殺すことに高揚し、快楽を覚えていくこととか
 どんなに洗練された技術を磨いていても、ちょっとした感情のゆらぎで、あっという間に殺されてしまうところとか
 戦いに身を投じる女性は男性から疎まれ、女性からはさらに忌み嫌われる
 「戦争」によって、それにかかわる全員の人生が狂い
 どんなに思いがあっても簡単に死に、
 生きて戦争が終わったとしても、それが4年の出来事であったとしても
 その後の人生でもなかったことにしては生きられない
 非常に苦しい作品でした。

 この作品の中では、敵(ドイツ)も味方(ソ連)も状況は変わらず、村を焼くのも、子供を殺すのも、女性を凌辱したうえで殺すのにも、戦時ならではの大義名分がある。
 当時、世界中で、日本人も、戦時でなければそのようなことをするはずもない人が、ひどい行いをしたことがあっただろう。そして被害に遭った者だけでなく、加害をしたほうも、目撃したほうも、ひどい苦しみが続いたのかもしれない。

 セラフィマは外交官になりたかったし
 捕虜になったドイツ兵は、サッカー選手になりたかった
 戦争がなかったら、みなどんな人生だったのか。


 個人的な感想として
 ①ネタバレにならない程度に書きますと、最終盤で、セラフィマは規律違反を犯そうとする仲間を射殺するんだけど、あれは殺すまでの必要性はあっただろうか(威嚇射撃で違反を防ぐのではだめなのか・・・)その辺は、この作品の中ではちょっと納得いかないというか・・・
 ②作者は男性だと思うけど、男性の弱さも感じるこの作品を、男性はどう読むのか。女性が読む以上に不快なのかな。
 ③王道なのかもしれないけど、始まり方が鬼滅の刃とちょっと似てるよね。
  (炭次郎が、家族を失ってぼろぼろになっているところに、富岡義勇があらわれて、「生殺与奪の権を・・・!!」みたいなところが、セラフィマとイリーナみたい・・・)
 
 とにかく、夢に見るまではいきませんが
 面白い作品であったことだけは確かだと思います。
 毎日精神が戦争に行っていたので疲れました。
 夢をかなえるゾウ4を聞いていた時のほうが、楽だったな。余命3か月でも(苦笑)

 
 
 

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